欲にくらむといいことないですね!素直な人ではあるんですよ最後は… 落語要約 死神

     

      

今回も教養の一環として落語を一席

    

死神

    

   

     

登場人物は、

今にも潰れそうな町医者の男のお話!

     

    

借金まみれの医院を親から受け継いだが、

患者は一向に増えず、

借金は増えるばかり。

    

いよいよ、首をくくるしかないと思っていたところに、

杖をついた痩せた老人が突然、現れた。

     

    

老人の正体は、死神

    

死神は、男に、

「金が儲かる仕事を教えてやる。」

ともちかけた。

    

    

   

死神の話によると、

「病人に必ず付いている死神さえ見えれば、

その病人の生き死にがすぐにわかる。

お前に、死神が見えるまじないをかけてやる!」

とのこと。

    

     

そして、死神は、何やら呪文を唱えた。

    

     

「よし!

これでお前には、死神が見えるようになった。」

     

「コツは、死神の座っている位置を見極めることだ!

病人の枕元にいたら、その患者はもうダメだ!

助からない。」

    

「もし、足元にいたら、

助かる見込みがあるから、全力で治療しろ!

ただ、治療といっても、

手を二つ叩けばいい。

そうすれば、死神を追い払うことができるのだ。」

と言い残して、男の前から姿を消した。

    

      

    

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男は、呆気に取られながら、

職場の医院に帰っていった。

    

ちょうど医院についたところ、

近所のおじいさんが危篤との連絡を受けた。

    

急いで、おじいさんの家に行き、おじいさんの部屋に入ると、

おじいさんの足元に、

さっき見た死神と似たような老人が立っていた!

     

男は、驚いたが、物は試しだ!と。

手を2つ叩いた。

    

    

すると、その死神と思われる老人は、

クルッと、壁の方を向き、

そのまま壁に消えていった!

    

     

それから、おじいさんはみるみる健康を取り戻し、

すっかり元気になった。

    

これに、おじいさんの家族は大喜び!

このことが、近所に広まり、

「うちにも見にきてほしい!」

 との依頼が殺到した。   

     

殺到はしたが、男としては、単に患者の家を見て周り、

死神がいれば、手を叩くだけだ。

     

そして、都合の良いことに、どの患者の家に行っても、

死神は、患者の足元に立っていたので、

手を叩くだけで、患者はみんな健康になっていいた。

     

患者やその家族は、

男に大変感謝し、治療費の他にお礼も弾んだ。

    

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男は、あっという間に、借金を返済し、大金持ちになった。

     

しかし、もともと、首が回らなくなるほどの借金をする男。

    

せっかく稼いだ金も湯水の如く使ってしまい、

たちまちすっからかんに!

どうしようと困っていたところに、

近所でも評判のお金持ちのお宅から連絡が!

聞けば、

お金持ちの家の主人が危篤で、

早く見て欲しいとのこと。

   

    

男は大喜びで診察に出かけた。

     

     

ところが、

主人の部屋に入ると、ビックリ!

    

主人の枕元に死神が立っているではないか。

    

    

今まで一度も枕元に立っていたことがなかったから、さあ大変。

      

しかし、どうしようもないので、

男は、

「残念ですが、手の施しようがありません。」

と。

    

これを聞いた主人の家族は、

「何とかならないか。金ならいくらでも出すから。」

と。

    

欲に目の眩んだ男は、少し考えて、閃いた。

     

「手立てがないわけではありませんが、

この治療には高額な治療費がかかりますが。」

と男。

   

    

「いくらでも出すから心配しないでください。」

と、主人の家族。

    

     

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男は、

「では、まず、ご主人のベットの向きを反対に変えてください。」

と、家族に指示した。

    

少し、不思議そうに思ったが、

家族は主人のベットの向きを反対に変えた。

    

これにより、

死神が立っているところは、主人の足元になった。

   

    

それを確認し、男は手を2つ叩いた。

そうすると、死神はいつものように壁の方に向かい消えていった。

     

それにより、主人はみるみる回復し、全快した。

       

主人の家族からたくさんの謝礼をもらった男は満足し、

家に帰っていると、最初に出会った死神が現れた。

    

    

死神は、男に向かって、

「なぜ、あんなことをしたんだ!」

と言い、男を真っ暗な部屋に連れ込んだ。

   

    

そこには、たくさんのロウソクが並んでいた。

   

     

男は、

「ここは何だ!」

と聞くと、

    

死神は、

「ここは、人間の寿命を示すロウソクの部屋だ!

全ての人間の寿命がわかるのだ!」

と。

      

    

男は、ふと手前のロウソクを見ると、

今にも消えそうなロウソクが目に止まった。

    

     

死神は、

「今、お前が見ているロウソクは、

お前のものだ。

お前があんなことをするから、

本来、あの主人のものだったロウソクが

お前のロウソクと入れ替わったんだ。」

と言った。

    

    

男は、

「助けてくれ」

と、死神に必死に頼むと、

    

死神は、

「ロウソクを繋げばよい。」

と、言った。

   

    

男は、急いで、手前にあった、

火のついていない長いロウソクを手に取り、

今にも消えそうなロウソクの火を移した。

    

     

一安心した男は、

こんなところにいたくないと、

ロウソクを持ったまま外に出た。

    

     

まだ、日中であったので、少し眩しく感じた。

    

     

家に帰ろうとしたが、まだ死神が隣にいた。

     

     

男は、

「まだ、何か用があるのか。」

と、死神に尋ねた。

   

    

死神は、

「特にはないが、こんな日中にロウソクは変ではないか?」

と。

   

    

男は、

「それもそうだなぁ。」

と。

ロウソクに「ふっ!!!」と息を吹きかけた!!!!!

     

    

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