リーダーシップとは❓

リーダーシップについて、一言。

皆さんが、理想のリーダー像を聞かれたら、

どんな人を思い浮かべるだろうか。

カリスマ性があって、強い意志を持ち、チームを引っ張ってくれる人❓

知識や経験が豊富で、的確に成功へと導いてくれる人❓

いやいや、「理想のリーダー像」を他人事のように考えていること自体、

が間違いではないだろうか。

本来、すべての人がリーダーであり、

リーダーシップを持って仕事に取り組むことが必要ではないか。

自分は万年、平社員だから、リーダーシップには縁がない。

リーダーシップは、上司が考えること。

いやいや、リーダーシップは、自分が成長するためにも大切なスキルではないだろうか。

組織において、私たち一人ひとりが「自分が今、何をすべきか」を決定して、

主体的に最終的な判断を下し、一体となって最善の道へと進んでいく。

これが、仕事の現場で最高のパフォーマンスを発揮するために欠かせないのではないか。

リーダーシップを備えた人が影響を与え合う職場は、組織として強くなる。

そして、リーダーシップを発揮する働き方は、その人個人を成長させる。

リーダーシップとは、生き方であり、働き方でもある。

リーダーシップにはついては、様々な書籍や論文がある。

その中でも、一際目についたのが、「スタンフォード式 最高のリーダーシップ」である。

様々な考え方があるが、その中で、特に目についたのが、

オーセンティック・リーダーシップ(Authentic Leadership)

サーバント・リーダーシップ(Servant Leadership)

である。

オーセンティック・リーダーシップ(Authentic Leadership)

オーセンティックな状態とは、自己を知り、ありのままの飾らない姿を指す。

嘘や気取りがなく、本当の自分を表現することで、周りの人に信頼感を与える。

オーセンティック・リーダーシップを磨くには、次の5つの方法がある。

(1)「弱さ(ヴァルナビリティ)」を認める、

(2)「役割性格」を越える、

(3)「人」と比べない、

(4)  自分の「生涯の大きな目的」を見つける、

(5)「超・集中状態」になる。

これにより、自己を知ることができ、それが他者理解にもつながっていく。

すると、他者の感情を感じながらも客観的でいられる、

共感をすることができる。

これは、部下の気持ちを理解した上で解決策や目的、

とるべき行動を示すのに役立つだろう。

これら5つの方法は連動していて、1つの方法がうまくいけば、

他の方法もうまくいくようになり、

オーセンティック・リーダーシップ全体が高まっていく。

特に、弱さ(ヴァルナビリティ)を認めることは、

自分の弱さを受け入れ、さらけ出すことである。

これにより、人は自分のことを、

「取り繕いがない、常に本心でいてくれる存在」だ

とみなし、信頼するようになる。

たとえば、トラブルが勃発し、プロジェクトが頓挫しそうなケースを考えよう。

このとき、リーダー自身が「私も不安だ」という弱さを見せるとどうか。

チームメンバーは不安や問題点をいいやすくなるし、

情報共有が進んで、トラブルを解決できる可能性が高まる。

しかし、それで終わってはいけない。

リーダーが「私も不安だが、このように行動しよう」

とストーリーを提示してはじめて、周囲も前向きに考えられる。

チームを導くような結論を示して、

弱さを起点とした成長のストーリーを描くことが必要である。

弱さを見せ、無防備になることが難しい場合は、

役割性格を越える」ことを試してみたい。

役職ありきで自分をとらえているリーダーは多い。

つねに「課長として、部長として」という立場で語っていたら、

弱さなどさらけ出せないだろう。

自信満々で「自分は良いリーダーだ」と信じているリーダーも多いことだろう。

このようなリーダーほど、自己評価と他者評価に乖離があり、

チームのメンバーは、「ひどいリーダーだ」と思っている恐れがある。

では、鎧を脱ぎ捨てて、役割性格を越えるためには、どうしたらいいのだろうか。

そのカギは「ビギナーの心」にある。

「自分は100%に達している」と思った人は、もう成長できない。

これに対し、「自分は、まだまだ」というビギナーの心を持ち続ける人は、

もっと成長できる。

大事なのは、「部下が知っていて、自分が知らないこともある」

と相手を認めることだ。

リーダーが、わからないことをチームのメンバーに尋ねることで、

相手には「役割を外して、そのままの自分で接してくれている」と、

リーダーの人間味が伝わるはずだ。

 サーバント・リーダーシップ(Servant Leadership)

部下の能力を引き出して、背中を押すのが「サーバント・リーダーシップ」である。

人に奉仕して、その人の中から最高の能力を引き出すのだ。

相手の主体的な行動を支援することが、

最終的にチーム全体の生産力を高め、目標達成につながっていく。

同時に、チームのメンバーから、リーダーとして本物の信頼を得られるだろう。

中国の思想家、老子の言葉に、

「人の上に立とうと思うなら、謙虚な気持ちでへりくだりなさい」

「理想のリーダーとは、みんなに『リードされている』と感じさせない人だ」

とある。

これは、このように解釈できるだろう。

「リーダーたるもの、一歩下がって援護に回り、

部下を前に出して、主体的に取り組ませなさい。

部下が上司にリードされたことに気がつかず、

『自分でやり遂げた』と思えるぐらい、自然とリードしなさい」。

結局のところ、リーダーとは昔から、「背中を押す人」なのである。

「リーダーシップとは、力強くチームを引っ張ることだ」。

こうした思考に固執しているリーダーは多い。

彼らは自分の背中を見せて、部下がついてくることを期待し、

文字通り「先導者」になろうとする。

しかし、ふと後ろを見ると、部下は誰もついてきていない。

このような状況は、日常的に生じている。

「自分が前に出る」という思考の裏側には、2つの心理がある。

1つは、「自分以外、信用できない」という心理。

能力が高く自信があるリーダーにありがちで、

「部下に任せたら、失敗するかもしれない」と考えによる。

これでは、部下を信用していないというメッセージを発することになってしまう。

2つ目は、「部下にナンバーワンの座を奪われたくない」という心理。

優秀な部下に追い抜かれ、

「一番前」というポジションが奪われるのが怖いのだ。

そのため、部下に仕事を任せず、決定権も持たせない。

もちろん、大きな成果を上げ、

すべてを決定してチームを成功に導くリーダーもいる。

こうしたリーダーは、カリスマとして熱狂的な人気を集めることもある。

しかし、どんな天才であっても、一人で頑張って成果が出るのは短期間だ。

その先は、「チームの破滅とリーダーの失墜」が待っているといってよい。

真のリーダーになるには、

一歩下がって部下を前に出し、主体的に課題に取り組ませることが必要だ。

しかし、主体性を持たせることは簡単ではない。

部下に仕事を任せて、失敗されるのが怖いというリーダーの悩みもある。

これに役立ちそうな考えとして、

部下が今の知識とスキルでできる仕事(安心領域)と、

部下がやったことがなく、今の知識とスキルではまだできない仕事(挑戦領域)

この2つが重なり合う部分の仕事を任せる

というもの。

この部分の仕事とは、

上司が少し手伝ったり、教えたりすればできるようになる仕事、

部下がチャレンジしたがっている仕事である。

この部分の仕事を見極めるためには、

「部下の能力と適性」と「仕事の種類」

のそれぞれを正確に把握する必要がある。

任せるときこそ、日頃の情報収集がものをいう。

このような考えは、何も上下関係だけに限ったものではないだろう。

対等な関係の場合でも仕事をしていく上では、

関係する考え方ではないだろうか。

リーダーは仕事上の役割だが、

リーダーシップは個人のためのスキルである。

一人ひとりがリーダーシップを発揮することが、成果を出し続け、自分を成長させるうえで重要なのではないだろうか。

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