Think clearly

    

    

    

今回は、

Think clearly  

最新の学術研究から導いた、

より良い人生を送るための思考法

     

      

       

について、勝手に要約していきたいと思います。

    

      

Think clearly 最新の学術研究から導いた、よりよい人生を送るための思考法

Think clearly 最新の学術研究から導いた、よりよい人生を送るための思考法

  • 作者: ロルフ・ドベリ,安原実津
  • 出版社/メーカー: サンマーク出版
  • 発売日: 2019/04/01
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
  • この商品を含むブログを見る

    

         

       

      

私たちは、

「よい人生」

という言葉にたった一つの定義を求めがちで、

それを達成するための原則や原理、法則があるような気がしてしまう。

    

    

しかし、

実は、よい人生の究極の定義など存在しないのです。

    

    

それを前提とした上で、

私たちが生きている世界を理解するための「思考法」が示されています。

      

     

たくさんの思考法が示されているが、

特に代表的なものを3つをお示しいたします。

      

     

1   誰しも他人からよく思われたいと思うものだが、他人からの評価が自分の人生に与える影響は意外と少ない。他人の評価から逃れて、自分の納得のいく生き方を目指そう。

    

誰かから

「ちょっとした頼みごと」をされたとき、

深く考えずに、

引き受けてしまうことはないでしょうか?

     

     

そんなときは、

まず、少し立ち止まって、

どのくらいの頻度で断っているか、

後になって引き受けたことを腹立たしく思うか、

断ったことを後悔するかを考えてみる。

    

     

試しにやってみたところ、

頼みごとのほとんどは、

事前の予想よりも時間がかかったが、

引き受けたことによって生じる恩恵や利益は、

関係者にもたらされるものも、

著者にもたらされるものも少なかったそうだ。

      

     

人の頼みを断れない、

この「好かれたい病」はどこからきているのだろうか?

    

    

これは、

動物の世界でも起こる

互恵的利他主義

と呼ばれる行動で説明することができる。

   

    

チンパンジーは、

自分が獲物をとらえた際に、

血縁関係がない仲間とでもそれを分け合う。

    

      

別の機会に、

獲物を分けてもらえることを期待し、

自分が獲物を取れなかったときの保険をかけているのです。

    

    

これは、

以前どの仲間が分けてくれたか、

を記憶しておける動物ならではの行動パターンです。

     

    

この行動パターンは、人類にも受け継がれている。

    

    

このおかげで私たちは、

血の繋がりのない大勢の人と協力しあい、

生活を豊かにするために経済活動ができているといえるだろう。

    

      

しかし、

ここには落とし穴もある。

    

     

それは、

誰かから「好意」を受けると、

お返しを義務のように感じて頼みを断れなくなってしまうこと、

    

そして、

「お返し」を期待して相手の利益になるように、

進んで頼みを引き受けてしまうことです。

   

しかも、

頼みごとの実現に必要な時間のことを考慮して引き受けていることは、

案外、少ないとのこと。

    

    

あまり考えずに、いい顔しようとすることは結構あるかもしれませんね。

     

    

では、

「互恵的利他主義」に対抗するためには?

    

その手法として、

ウォーレン・バフェットのビジネスパートナーである

チャーリー・マンガーの「5秒決断ルール」が紹介されている。

   

    

頼みごとをされたとき、

その要求を受けるかどうかを5秒で検討する手法

      

     

5秒で決めると、

ほとんどの場合、

「ノー」という答えが導き出されるはず。

     

「ノー」と言うことで、

チャンスを逃しているような気持ちになるかもしれない。

     

ですが、たいていの場合、

断ったところでチャンスを逃したことにはならないはずだし、

頼みごとを断られたからといって、

すぐにあなたを「人でなし」などと決めつける人はめったにいないだろう。

       

往々ににして、

自分が思っているより、

周りは自分のことを見ていないもんです。

     

気にしているは自分だけ、

そのくらいの開き直りは必要かもしれませんね。

     

       

2   人は、「フォーカシング・イリュージョン」にはまりがちだ。特定の要素を過大評価しないよう、その要素から十分な距離を置いてみよう。

     

あなたは今、

ドイツに住んでいるとする。

    

季節は冬。

排気ガスで黒く汚れた雪が路上に残っている。

     

そんななか、

車のフロントガラスの氷をそぎ落とし、

凍結した車のドアを開けて、

冷えた車内に乗り込んでハンドルを握る。

      

次に、

太陽がさんさんと降り注ぎ、

穏やかな海風の吹く、

マイアミビーチに住んでいたとしよう。

    

ドイツに住んでいるときと比べて、

幸福度はどれくらいアップするだろうか?

     

     

ほとんどの人は、

マイアミビーチのほうを高く評価するだろう。

    

    

しかし、

ドイツでもマイアミでも、

一日を通してみれば、

同じようなことをしているのではないだろうか。

     

どちらの国にいても、

渋滞に巻きこまれながら職場に向かう。

     

到着するとメール対応と上司とのごたごたに追われる。

   

仕事が終わると、

1週間分の食材をまとめ買いし、

夕食をとる。

食後はソファでのんびりし、映画を見て、眠りにつく。

    

     

さて、同じような毎日を送るとすると、

マイアミビーチにいることは、

あなたの幸福度にどれだけ影響を与えるだろうか。

今度は、

さほど変わらないと考える人が多いだろう。

      

     

この評価の差は、

フォーカシング・イリュージョン

と呼ばれる。

     

    

特定のことについて、

集中して考えている間は、それが人生の重要な要素のように思えても、

実際はそうでもないという錯覚を表す言葉だ。

    

     

先ほどの例でいうと、

最初は、気候に焦点を合わせて考えていたので、

マイアミのほうが生活満足度が高そうに思えた。

     

だが、

一日の流れを考え、

天気はその日全体の一部でしかないとわかると、

ほとんど取るに足らない要素に感じられる。

    

     

私たちは、

フォーカス・イリュージョンの罠にはまりがちだ。

    

    

暑い夏の夜、

冷蔵庫にビールが入っていなかったから、

今夜は台無し。

      

エッフェル塔が見える部屋が予約できなかったから、

パリ旅行全体が最悪。

    

そんな気分になってしまうのは、

まさにフォーカス・イリュージョンにとらえられている状態である。

     

    

特定の要素を過大評価しないよう、

その要素から十分な距離を置いてみることが重要だ

    

    

どんな状況でも、

それは考えようではないでしょうか。

     

仕事ひとつ取っても、

一部の職場環境で、

その仕事全てが嫌になることはないでしょうか。

    

もっと、

大きな視点でしごとをとらえれば、

とるにたらない問題かもしれません。

     

        

3    体験と思い出づくりはどちらも大切である。思い出づくりにばかり気を向けていると人生を充実させることはできない。

     

あなたの中には、

体験している私」と「思い出している私

の2人がいる。

    

      

「体験している私」は、

今、この瞬間に起きていることを体験している“意識の部分”だ。

      

「体験している私」は、

ある一瞬を体験するだけでなく、考えたり感じたりしている。

   

     

これらをすべて混ぜ合わせて、

ひとつの出来事として認識する。

   

     

その「瞬間」とは、約3秒間だ。

     

    

ある一瞬に、

脳内を流れていった膨大な量のイメージは、

私たちの記憶にはほとんど残らず、忘れ去られていく。

    

    

一方の「思い出している私」は、

「体験している私」が捨てなかったほんのわずかな記憶を集め、

評価し、整理している。

   

    

私たちは、

ある体験のなかからほんのわずかな記憶を集め、

思い出すこともできる。

   

    

しかし、

実際の体験と思い起こした記憶はほとんど一致しない。

   

    

休暇中の学生たちの幸福度を調べた研究では、

夏休みに対する学生たちの幸福度は、

「夏休みを終えた後」のほうが、

「夏休みを過ごしている最中」よりも高かったという。

    

     

「体験している私」の幸福度は、

「思い出している私」の幸福度よりも低かったのだ。

      

    

体験と思い出、どちらも大事だ。

だが、

よりよい思い出をつくりたいと思うあまり、

「思い出している自分」ばかりを重視していないだろうか。

     

思い出づくりにばかり気を取られて、

現在に目を向けることを忘れてしまえば、

人生を本当に充実したものにすることはできない。

    

    

結び

     

時代はますます速く変化していく。

     

そんな時代だからこそ、

私たちは目の前にあるたった1つの答えに飛びつきがちだ。

    

しかし、

たった1つの要素だけでは、

私たちの住む世界は理解できないのかもしれない。

    

     

これらの思考法は、

「自分にとってよりよい人生を生きること」

を考える手助けをしてくれるのではないだろうか。

    

     

    

    

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